わろてんかのあらすじの第七十話です
わろてんかのあらすじの第七十話です。
芸人が足らずに廃業寸前までに追い込まれた風鳥亭を買いに来た寺ギン。
絶体絶命の風鳥亭の席主の藤吉とごりょんのおてん。
そこに奇跡の助け舟が現れました。
風太です。
風太を頼ってきた寺ギンのところの芸人150名引き連れて、風太のところへやってきたのです。
藤吉の目の前に150人を集め、こいつら全員、北村商店に入れてくださいって頭を下げに来ました。
芸人がノドから出るほど欲しい北村商店です。
芸人が足りないために二つの寄席を止めているほどです。
ほんまか?
狂気した藤吉に、寺ギンが、なんやと~。
牙を向きます。
「おまえら、この借金の証文、どないすんねん」
〆て2500円、耳をそろえて、返してもらおか?
そして藤吉に向かっても、言います。
この借金が片付かない限り、この芸人たちを渡すことはできへんで。
寺ギンのこの言葉に、芸人はものやないでって激怒します。
寺ギンは「ほう、ものやなかったら何や?」
おてんは言います。
「芸人は家族みたいなものと思ってます、家族が風邪引いたらお薬だすの当たり前ですよね」
これには周囲の芸人も感激します。
そこで、寺ギンが言います。
「ほう、家族やったら、この借金肩代わりしてくれるんやな」
そういう寺ギンの言葉に、お金を持ってない藤吉は、言葉がでません。
しかし、おてんは違います。
「よろしおす、その借金、北村商店でしっかり肩代わりさしてもらいます」
そんなやり取りの時に現れたのが、文鳥師匠。
風鳥亭の前の人だかりに、
「これは何かの祭りでっか?」
それとも戦でっか?
まさに、大阪夏の陣ですな。
そう言って登場。
文鳥師匠は、寺ギンと北村商店との駆け引きを見ています。
おてんが借金を肩代わりするといった時に寺ギンが、
「そんなアホな。
こんな奴らの借金を肩代わりしたら、北村商店も共倒れになるで」
でも、おてんの決意は変わりません。
おてんは、引き出しから瓷を出しますと、ここにいざという時のお金があります。
瓷(カメ)の蓋をあけまして、中にはお金がぎっしり詰まってました。
〆て2511円あります。
のどから手がでるほど芸人の欲しい藤吉は、てん、でかした。
そういうおてんと藤吉のやり取りを見て、そばで聞いていた文鳥師匠が、身を乗り出して言います。
「あんたにカレーうどん、ごちそうになったのはちょうど6年前や。
その頃と着物、同じですやん」
と指摘。
一張羅の着物に恥ずかしがるそぶりを見せるおてんに、さらに文鳥師匠は言います。
その瓷に貯めたお金も不断の始末の成果でっしゃろ?
寄席三年目のごりょんさんが、着物も変えずに、頑張ってコツコツ貯めてきた。
そんな大事なお金を、見ず知らずの芸人の借金に使うなんてやめときなはれ!
強い口調で叱責するように、おてんに言いますと、
おてんは、「見ず知らずやなんて。私は芸人は、家族やと思ってます」
だから芸人のためにお金を使うのは惜しくもありません。
おてんのきっぱりとした態度に、文鳥師匠は、言います。
わしの好きな噺に、「貧乏長屋」という噺があります。
貧乏な連中ばかりが長屋に肩寄せ合って毎日、笑いが耐えずに楽しく生活している噺やけど、
あんたんとこ見てると、なんや楽しそうや。
文鳥率いる伝統派53名、北村商店にお世話になりたいんやが、どないでっしゃろ。
藤吉は、驚きのあまり、空いた口がふさがりません。
「ほんまですか?」
寺ギンは、そんな殺生な~って言いますが、文鳥師匠は、
寺ギンに、
「あんたも初心に戻ってやりなおしなはれ」
言いますと、寺ギンは太夫元を全部、風鳥亭に譲ることを決意します。
そして坊主に逆戻り。
大体、お坊さんがお金の亡者になるとはどういうこと。
あきませんなあ。
伝統派、オチャラケ派どちらも一気に手に入れた藤吉は、寄席を大阪に次々に立て、
松島、天満、玉造に続き、堀江(今はとってもおしゃれな街です)とか上本町とかにどんどん寄席を拡大、大阪に、一大寄せのチェーン店を展開しました。
そして大阪最大の繁華街、千日前についに寄せをオープン。
オープンの日には、団吾師匠と文鳥師匠が並んで口上を述べます。
しかし、三ヶ月でここまで物語が進むと、後の三ヶ月、どんな展開が待ってるのか、少し心配になります。
そうそう、この軌跡の立役者は、風太です。
風太は自分の役割が終わったと思い、風鳥亭を出ていこうとしますが、
おトキもおてんも引き止め、
さらに藤吉からは、
「番頭をやってくれないか?」
って請われます。
番頭?
手代どまりの風太です。
いつかは俺も番頭になりたい。
そんな夢をずっと持ってました。
それがいきなり番頭。
確かに、芸人も一気に増え、小屋も増えました。
番頭が絶対に必要になります。
その番頭を風太にお願いしたい、そういうのです。
風太にとっては夢のような話です。
感激でもう涙が溢れてます。
「席主、ごりょんさん、よろしゅうお願いします」
・・・風太、おてんについていってよかったね。
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