二回目のプロポーズ

ひよっこのあらすじ百四十六話です

みね子の部屋に居候することになった大女優川本世津子さん。

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今までの永井愛子さんと違って、みね子とは谷田部実を通じて、複雑な仲の2人です。

きっかけは早苗さん。

せっかくみね子が世津子をマスコミから救い出したのに、2人の問題は放置したまま。

早苗さんの「2人で、向き合って乗り越えて欲しい」というアドバイスに答え、生活することになった2人です。

しかし、早速初日、世津子さんが釘を差すような一言を言います。

「私はみね子ちゃんのお父さんと生活していた時のことを話すつもりはない。みね子ちゃんにも誰にも」

そう宣言するのです。

つまり、「谷田部実ではない、私にとっての雨男さんとの生活を秘密にしておきたい」って言うのです。

そして、「医者から聞いたんだけど、もし実さんの記憶が完全に戻ったとしたら、私（川本世津子）との生活の記憶は今度は完全になくなる。すると、私と雨男さんとの生活は私ひとりのものになる。私、そうなったらいいなーって思ってるの」
って衝撃の言葉を言います。

雨男さんに対する愛は相当なものだったのですね。

みね子は世津子がそういうのを聞いて、なんと答えたらいいかわからず、複雑な表情をしていました。

確かに、みね子の手が届かない世界の話しだし、関係ないっちゃないんで、そんなこと言わないで話してよ・・・とも言えずに、お互い床についたのでした。

さて、奥茨城。

奇しくも、話題は一緒。

でも、こっちは逆です。

雨男さんこと谷田部実が、妻の美代子に言うんです。

俺が東京にいた時の話をしておいたほうがいいと思う。

って言い出したんです。

夫婦の間に、秘密を持ったらいけないって思って。

さっきの世津子は、「絶対に話すつもりはない」

実は、「話しておかなければいけない」

正反対です。

しかし、今度は妻の美代子が、「聞きたくない」って言います。

本当は美代子は話したくなったら話してって話を待ってたはず。

でも、今は実がそこにいるだけでいい。

過去の東京にいる話は、今は聞きたくない。

そんな言葉に不思議がる実。

実さんは変わってないね～

と美代子が言います。

他人に優しくって、他人の気持ちを慮って、それでいて女心がわかってない。

そんなことを言いますと、

「女心がわからない？」

と不思議そうに美代子を見る実。

いいの、女心がわからなくてもって言う美代子。

そこが実さんのいいところなんだから。

続けて、でもね、わたしが東京の時のこと聞きたいって聞いたら教えてね。

そのときには聞きたくなってるからって。

実はわけわからなくなります。

いいの、これが女心だから。

女心ってなんとも便利な言葉なのでした。

結局、単なるワガママじゃねえかなんて思わないのが、実さんのいいところです。

さらに実さんが言います。

「美代子は可愛いな、嫁だからいうんじゃなくって。なんだか、可愛くってさ、俺と一生一緒に人生を歩いてくれないか？」

って言ってしまいます。

美代子は、正座に座り直し、「ハイ」

実はこの言葉、プロポーズの時の言葉だったのでした。

それを実に言いますと、「そう？」

と答えるだけです。

美代子は、プロポーズの時の言葉嬉しかったことをしみじみ言います。

そして、また聞けて、また嬉しかった。

二回もプロポーズの言葉聞けて、嬉しく思って。

そんな人、あんまりいないよね。

わたし、本当に幸せものだなー、そう言って実にもたれかかります。

実は不幸なことをなかったことにする力は、みね子よりみね子のお母さんの方が一枚も二枚も上手なのでした。

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