わろてんかのあらすじの第六十ニ話です




さてスト中の芸人4人も、そろそろ復帰に準備です。

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肉体派の岩ちゃんは、肉体の衰え即失職につながりますので、トレーニングは欠かせません。

一人はみんなのために、みんなは一人のために、ではないですが、風鳥亭の4銃士が岩ちゃんのために一緒に腕立て伏せをしています。

どうやら藤吉が考えている意図が伝わったようで、4人もやる気を示しています。

岩ちゃんは、体力づくりですが、アサリとキースがコンビを組んで漫才をするみたい。

歌曲漫才はどや?

かしまし娘ですか?

ぴんからトリオですか?

いえいえ、吉本名物ハリセンチョップを考えてます。

しかし、いい音が出るハリセンができるまでは試行錯誤です。

痛すぎず、音はできるだけ大きくして。

さて、おてんは藤吉とは仲直りしたものの、団真とお夕のことが気にかかってます。

まずは、お夕が出てった団真の長屋に、おにぎりの差し入れを持って行きますと、

団真が出てきました。

その前にはどうやら、「崇徳院」の稽古をしてたようで、声が聞こえていました。

おてんの前に出てきた団真は、何のようや。

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ぶっきらぼうそうに言いますので、おてんがおにぎり作ってきました。

と渡しますと、それはおおきにと遠慮なく受取り、続いておてんが

「崇徳院の稽古してはったんですか?」

と言いますと、団真が、お夕が出てってから、稽古が捗るわ~って負け惜しみを言ってます。

実際は、お夕に未練がありそうだったのに~。

おてんはその足で、団吾の別宅にいるはずの、お夕に会いに行きますと、

団吾師匠が一人で生花しています。

生花を見て、おてんは、大した腕前やわーって感心していますと、

茶碗酒をあおった団吾師匠が、いきなり生花を解体してしまいます。

そんなもったいない。

そういうおてんに、やっぱ、酒はいいわ。

花より団子だな。

花より男子じゃあないです。

花より団子、見てるより食べたほうがいい、てこと。

でもね、団吾師匠がいいたかったのはそのことじゃなく、

生花がきれいなのは、生けてから一瞬のこと。

笑いも一緒。

人が笑うのも一瞬で終わり。

わしが売れたからと言ってボサーっとしていれば、笑いはすぐに消えてなくなるし、飽きられる。

だから、立ち止まってることはできない。

わしは目の前のお客さんを一人でも笑わしたい。

そのためには、命を削ってでも、芸を磨きたいんや。

そんなことをいいたいのでした。

それに引き換え団真のことはぼろくそ。

団真は何をしとったんや。

団真さんは、崇徳院を練習していました。

崇徳院?あいつは落語から逃げ、女の一人も面倒を見れない最低のやつや。

お夕をあんな奴のところに返すことはできへん。

お夕はわしのもんや。

翻って芸に真剣に向かう団吾ですが、表では、絶対にそんなことは出しません。

お客さんが白けるだけですので、陰で猛烈に努力をしているのでしょうね。

団吾師匠の芸に対する迫力に圧倒されたてんがぼーっとしていると、お夕が帰ってきましたので、自宅に戻ったおてん。

団吾師匠の芸に対する情熱に感心したと藤吉に告げますと、

まさか団吾師匠がお夕さんに惚れていたとはなー。

もしかして、初恋と違うやろか~とおてん。

そうかもしれませんね。

先代団吾師匠の子に憧れる弟子。

有り得そうな話ですね。

トレーニングに余念のない岩ちゃん、

アサリとキースは、ハリセンを使った新しい芸にチャレンジしてます。

万丈目は?

後面だけで大丈夫。

奥さんの前で、落ち込んでいますと、奥さんに、

「あんたはアホみたいに後面しかやらんもんな」

「俺は後面やってるときが一番楽しいんや」

「ま、そのアホ、きらいじゃないけどな」

そう言われて、「よっしゃ、後面の芸を徹底的に極めたる」

一人取り残されていた万丈目も、歩き出しました。

翌日、団真のところに差し入れを持っていったおてんは、団真が不在で、しかも玄関に手紙と扇子が置いてあるのに気づきます。

嫌な予感を感じるおてん、恐る恐る手紙を読み出します。

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